「使命を全うしたパウロ」 使徒の働き28:16-31 

導かれる神?

「使命を全うしたパウロ」

使徒の働き28:16-31

パウロの使命は、いよいよゴールに至ります。ローマへの護送中激しい嵐によって破船しながらも、神の約束の通り全員無事に陸に上がることができました。これは、神を信じて生きる者への導きと約束の確かさを示している出来事です。

1.打ち上げられた島での出来事

パウロたちは、どこに上陸したのか知りませんでした。島の人々は、上陸した人々に親切にしてくれました。彼らが火に当たっていたとき、パウロの腕にヘビが噛み着いたのを見て、人々は“人殺しだから、正義の女神に罰せられた”と思いました。噛まれて死ぬと思われたが、何も起こらないと今度は“神様だ”と言うのです。島の人々の生き方の一端を知ることができます。今日も人々は同じではないでしょうか。

この出来事を通して、島の首長ポプリオに招かれました。首長の父が病気であると知ると手を置いて祈り、癒してあげました。島の人々もやって来て癒されたのです。困っている人々を助けるのはキリスト者の生き方です。ここにも神の恵みが届けられたのです。出帆の時には、必要なものを持たせてくれました。

2.迎えられて到着したパウロ

マルタ島からローマに向かって航行し、途中クリスチャンたちと7日間交わることが与えられたりして、とうとうローマに到着したのです。長く、激しく、厳しく辛かった旅路も、思いも寄らない方法でローマに到着できたのです。これは、イスラエルの40年の荒野の旅と同じように、私たちの人生も様々な事が起こります。

何が起こるのか分からないのが人生であるならば、思いも寄らないことをはるかに超える大きな導きがあると信じるのがクリスチャンの生き方です。神はその生き方を決して反故にすることはないのです。恵みではないでしょうか。

3. ローマでの宣教

パウロは、ローマに着いてさっそく同胞のユダヤ人と会い、証をします。彼らに主イエスの福音を語りますが、受け入れられず、福音が異邦人に送られるとことを宣言したのです。その後、パウロは何にも妨げられず大胆に“神の国”を宣べ伝え“主イエス・キリスト”知らせたのです。

パウロの生涯をたどると、クリスチャンを迫害する者から宣教者になり、同胞からいのちを狙われながら、想像を絶する困難と苦しに会っても決して変わることはありませんでした。このパウロを支えたのは何だったのでしょうか。イエスの十字架の贖いとパウロに対する神の恵みでしょう。私たちは、パウロの意志は、パウロに意思を与えられた神の御思いであったと知らされるのです。“聖霊があなた方に臨まれる時あなた方は力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、私の証人となります。”(使徒1:8、ピリピ2:13)は今も続いているのです。

私たちは、使徒の働きを通して主イエスの十字架の御業がどのように宣べ伝えられ、様々な困難にあっても神の導きとそれを担う多くの兄姉がそのために労してきたかを見てきました。そこには、今日の私たちが学ぶべき生き生きとした躍動する姿があります。この新しい年、この地にも主が豊に働かれ、御業がなされることを切望しましょう。