「神からのメッセージ」    ルカ2:1-20

アドベント(待降節)4週を迎え、救い主イエス様の誕生を祝う日を迎えることができ感謝いたします。皆さんにとって今年はどのような年だったでしょうか。

イエス様の誕生の時代はどのようだったでしょうか。その時代も様々な時代の大きな流れの中で、苦しみや死の恐怖など様々な課題を抱えていたのです。自分たちではどうすることもできない中に、大きな光、神の御子は誕生したのです。

1.救い主が生まれた時代

イエス様は、当時ローマ帝国の支配下にあったユダヤの国ベツレヘムでお生まれになりました。「パックス・ロマーナ」ということばがあり、ラテン語で「ローマの平和」の意味です。ローマ帝国アウグストの即位から200年間、世界はローマの支配権のもと大きな戦争がなく、平和が実現されていたのです。皇帝アウグスト(B.C31-AD4)は、シリヤの総督クレニオ(B.C 3~)、ユダヤのヘロデ王(B.C37-AD4)の時代に、全世界の住民登録をせよとの勅令が出し、世の中は騒然としていたのです。自分たちではどうすることのできない状況に中で救い主は生まれたのです。ユダヤの民にとっては決して喜べる状況ではなかったし、従わざるを得ない状況の中で、神は御業をなされる方なのです。

ここから私たちは、現代の様々な不安定な世界情勢の中にあっても、神は働かれているということを知らされます。救い主の誕生は、作り話や物語ではなく、歴史的事実なのです。ローマの支配下のもとイザヤ書9:1-2、6-7に預言されていたように苦しみとやみの中に置かれている時代に、救い主がお生まれになったのです。

2.羊飼いへの知らせ

キリストの誕生は、紀元前(B.C)、後(A.D)と歴史を二分するほどの出来事です。何故、最初に救い主の誕生が羊飼いたちだったのでしょうか。当時の羊飼いたちは、一般の人々から“地の民”と呼ばれ、神の恵みに与れない人々とされていたのです。地の民には、取税人、犯罪者たちも含まれており、この人たちこそ救いを必要としていたのです。

救い主の誕生は、突然ではなく、イザヤ書(B.C750年頃)には、以前からユダヤの人々に約束されていました。その内容は驚くべきものです。イザヤ7:14「それゆえ、主みずから、一つのしるしが与えられる」、9:1-2「しかし、苦しみのあった所にやみがなくなる…

大きな光を見た」、6-7「万軍の主の熱心がこれを成し遂げる」、11:1-5「エッサイの根から新芽が生える」、ミカ5:2「ベツレヘム…あなたのうちから支配者になる者が出る。…永遠の昔からの定めである」。これが神がご計画された救い主誕生の約束であり、羊飼いに伝えられた知らせだったのです。

3.すばらしい喜びの知らせ

救い主誕生の意味は、イザヤ書に明確に記されています。53:1-12「彼は私たちの病を負い、・・・私たちのそむきの罪のため刺し通され…砕かれた。…彼を砕いて、痛めることは主の御心であった。…主のみこころは彼によって成し遂げらる。…その知識によって多くの人を義とし、彼らの咎を彼がになう」のです。救い主、キリストの誕生は、すべての人を照らすそのまことの光が世に来ようとしていたとあるように、クリスマスは、一民族のためでもなく、西欧・東洋の区別なくあらゆる民族、時代への出来事なのです!

クリスマスは、私たちに新しいいのちを与える神からの癒しと回復へのプレゼントです。